「ラットの継代移植腫瘍に対するチャーガの影響」、ソ連医学アカデミーがん研究所腫瘍株ラボ、N.L.クロトキナ

April 29th 2019  |  アークティック茸, 保健, 免疫力

チャーガの動物に対する影響を調べる実験は雑食動物であるラットを用いて行われてきた。牛乳と砂糖で味付けされたキノコエキスは注入しやすく、ラットも大喜びで飲む。
2%の固体残留物を含む水溶液状のチャーガエキスを準備したのはレニングラード林業技術アカデミーのF・T・ソロトキー上級研究員である。
その後、我々はソ連科学アカデミーW・L・コマロフ名称植物研究所の薬剤を使用した。継代移植多形細胞型肉腫(横紋筋肉腫)(1)ラットを用い、実験が行われた。チャーガを与えられたラットの全身的な状態、寿命、死後の腫瘍の組織学的パターンを考慮した。
同様の研究、観察がチャーガを与えられず、腫瘍細胞が接種されたラットでも行われた。
接種時、全ラットの腫瘍が成長するわけではないので、最初の実験時には明らかに腫瘍が成長しているラットを用いた。対照のため、実験にはほぼ同じ大きさの腫瘍を持つラットを選んだ。
実験では102匹のラットにチャーガが与えられ、対照ラットは52匹であった。得られた結果は表1,2にまとめられている。
最初の実験では接種後、腫瘍が完全に形成された状態で、チャーガの使用を開始した。(実験№ 1255, 1257, 1262, 1263, 1265, 1268, 1282)。2番目の実験ではラットが生まれた日、腫瘍細胞接種前にチャーガを与え、接種後も与え続けた(実験№ 1259, 1260, 1269, 1271, 1274, 1279)。
腫瘍細胞へのチャーガの注入も試みた。9×7㎝(63㎠)の腫瘍を持つ1匹のラットに林業技術アカデミーで作られた2%のチャーガ溶液が注入された。10×6(60㎠)の腫瘍を持つ別のラットには植物研究所で作られた2%のチャーガ溶液0.5mが注入された。ラットは2匹とも死亡した。チャーガを腫瘍に注入しようという試みはそれ以上行われなかった。
最初の実験では腫瘍形成後にチャーガを与えた場合(表1)、全ラットの89%に腫瘍の成長が見られた。この実験で41匹中20匹のラットの腫瘍は完全に消失した。2匹のラットの、大きな(5×6cm)腫瘍が焼失した実験№ 1257を除き、その大部分は小さな腫瘍結節であった。対照群では全16匹が腫瘍、転位が原因で死亡した。
腫瘍が原因で死亡した実験群のラットの平均寿命は68日であった。ラットの最長寿命は140日、161日である。対照群のラットの平均寿命は24日、最大寿命は53日である。
2番目の実験では腫瘍細胞接種前、生まれた瞬間にチャーガを与えた(表②)。ラットの37%に腫瘍の成長が見られた。ラットの平均寿命は55日、最大で125日であった。対照ラットの52%で腫瘍の成長が見られ、平均寿命は39日、最大49日であった。
この実験で特に注目されたのは、チャーガを与えられているラット17匹、対照ラット10匹に同量の腫瘍細胞浮遊液を注入した№ 1269である。対照ラットに最初の腫瘍の兆候が表れたのは17日後で、どの実験ラットにもまだ腫瘍だという臨床診断は下されなかった。実験ラットの内、接種から19日後に1匹のラットが肺炎で死亡した。解剖後、接種場所に1.3×0.7cmの腫瘍結節が見つかった。残りの16匹の内、腫瘍が成長したのは1匹だけで、125日間生存した。10匹の対照ラットの内、腫瘍が成長したのは5匹で、平均寿命は42日であった。全腫瘍の巨視的、微視的分析が行われた。
対照ラットの腫瘍の巨視的分析時、腫瘍は節で構成され、切開時、節の中心は壊死巣であり、その周辺に厚い、又は薄い生細胞帯が見られることがしばしばあった。微視的分析では主な腫瘍の壊死部以外に、生体組織に見える組織にも極小面積の壊死部分が多くあるが、それに沿った腫瘍細胞は一体性を完全に保っていたことがよく見受けられた(写真1)。腫瘍中の血管はあまり多くなかった。

チャーガを与えられたラットの腫瘍を観察すると、血管の多さ、腫瘍の多血性が目を引き、とくには腫瘍への血液浸透が見られた。これらの腫瘍の微視的分析を行うと、その中には血液で満たされた多くの血管が確認された。薄い血管壁が破裂し、血液が腫瘍組織に流れ出、同組織に浸透しているケースがよく見られた。その場合、顕微鏡を使うと、細胞には完全性がなく、赤血球に囲まれた腫瘍細胞の孤立が確認できた(写真2)。ケルナー教授の言葉を借りると「細胞の不連続」である。
この分離された腫瘍細胞はチャーガを与えられたラットの腫瘍に特徴的であり、対照ラットでは殆ど見られなかった。


写真1 腫瘍中の細胞の位置が正常な場合(一体性を維持)
写真2 チャーガで治療時、腫瘍細胞が一体性を失う

細胞の完全性の破壊はチャーガを与えられたラットの腫瘍の消滅に大きな役割を果たしているように思われる。
又2番目の実験に基づき、前もってチャーガを摂取すると、ある程度までラットの継代移植腫瘍成長が抑制されるようである。